~心臓病などの全身疾患を有する方のための安全な歯科治療~
社会の高齢化に伴い、高血圧や心疾患、糖尿病などの全身疾患を有する、いわゆる「有病者」の方が増加しています。このような方の中には、その疾患のため十分な歯科治療を受けることができず、お口の健康が損なわれている方も少なくありません。
しかし、お口は、食べることに使うだけではなく、その機能は会話や意思表示などにも不可欠であり、さらには、笑うこと、 歌うこと、 愛情を表現することなど「生活の質」にも深く関わっています。
生涯にわたり豊かな人生を送るために大切なお口の機能を回復することで全身の健康増進に寄与すること、これは高齢化社会における歯科医療の大きな役割であると考えています。
当院では、全身疾患を有する方の治療においては、全身状態を各種モニターでチェックするなど、安全に治療を受けていただけるよう医学的管理を行っております。また、できる限り痛くなく、ストレスが軽減されるよう配慮しながら治療を進めます。
当院における有病者の方の治療
1.全身状態の評価
治療を進める前に、患者さんの全身状態や疾患の程度を把握し、治療計画を立てます。必要に応じ、かかりつけ医の先生に問い合わせを行い、病状に関して情報提供を受けます。抜歯などの侵襲の高い処置がどこまで行えるか評価することは特に重要です。
2.治療中のモニタリング
自動血圧計、パルスオキシメーター、心電計などのモニターを使用し、患者さんの全身状態をチェックしながら安全に治療が行われるよう配慮します
3.救急薬剤など
降圧剤、昇圧剤、抗不整脈薬、ステロイド剤などの救急薬剤や緊急時の医療機器を常備しています。
4.全身管理のトレーニングを受けた歯科医師が担当
全身状態が思わしくない方や重篤な疾患を有する方の治療は、全身管理のトレーニングをうけている歯科麻酔専門医や口腔外科専門医が担当しますのでご安心ください。
このような疾患を有する方に
- 高血圧症、狭心症や心筋梗塞、不整脈、心不全
- 気管支喘息、慢性気管支炎
- 糖尿病
- 甲状腺機能亢進症および低下症
- 肝機能障害
- 腎機能障害
- アレルギー疾患
- 出血性素因(血が出やすい、血が止まりにくい)
- その他、歯科治療中および治療後に異常のあった方
治療を受ける際のお願い
- 初診時の問診票や歯科医師による問診では、過去にかかったことのある病気、現在の体の状態、服用している薬などに関しておたずねします。安全に治療を行うために、できるだけ正確に伝えて下さい。
- 来院後に体調や気分が悪い時はすみやかに申し出てください。状態により治療内容を変更したり、延期することもあります。
- かかりつけ医や当院から特に指示がない限り、常用している薬は普段どおり服用して来てください。